街で見つけたマーケティング事例

お客さんのレイヤー/有隣堂しか知らない世界 アクスタ在庫7割から考える

こんにちは。上杉惠理子です。

2023年も残り数日。今年、私が一番ハマったものは、おそらくこれかなと思います。

Youtube 有隣堂しか知らない世界
https://www.youtube.com/@Yurindo_YouTube

神奈川県本社の老舗書店 有隣堂のオフィシャルYoutube。

MCのR.B.ブッコローちゃんと、商品愛あふれるゲストのトークがとっても魅力的で、書店youtubeとしては異例のチャンネル登録者数26.7万人(本日2023/12/27時点)!

ハマった3月に書いたブログはこちら!

後発でも人気チャンネルになれる!/youtube「有隣堂しか知らない世界」 こんにちは。上杉惠理子です。 最近、ハマっているyoutubeがありまして。めっちゃ話したいので、今日はそのyoutubeの話^...

ほんっと大好きで、毎週火曜日お昼12時の配信を楽しみに過ごした一年でした笑

ぬいぐるみも買い、本も読み、手ぬぐいも買い、伊勢崎町本店にも二度行き、イベントも行き、オリジナルサラサクリップも買い…

いい感じでハマりました^^ 

で!!

昨日配信された最新回が、めちゃくちゃおもしろかったのです!!

【経済番組】
ブッコローグッズについて真剣に話し合う回 ~有隣堂しか知らない世界232~
https://youtu.be/oAiFU76RuQc?si=vdcdgS8cjOWAsXbz

Youtubeチャンネルを担当する、広報マーケティング部の部長(しかも役員)が出演し、今まで発売してきたブッコローちゃんのグッズの発注数・販売数・在庫数を赤裸々に公開してくれました!

ここで問題となったのがアクリルスタンド、略してアクスタ!

番組のキャストのアクリルスタンドでひとつ440円。どのキャラクターが入っているかわからない、目隠しの状態で販売しています。

こちら2023年6月30日の3周年記念で発売し、1万個発注したところ、約7割が売れ残っている!!!

なぜ、アクスタを1万個も発注したのか?というと

  1. 2023年3月のイベントで来場したお客さんに「どんなブッコローグッズが欲しい?」とアンケートを取ったところ、ダントツ多かったのがアクスタだった
  2. それで今年3周年記念グッズの一つとして、アクスタを制作
  3. 当初、商品部は3000個発注、広報チームはもう少し増やして5000個と考えていたが、「絶対に品切れにしたくない」と部長の一声で2倍の1万個発注!

…結果、発売半年経って、7割在庫!!爆

部長は「これから売る」と仰ってましたが笑 なぜアクスタが売れなかったのか?

動画内では

・アンケート結果と実際の購買は必ずしも繋がらないと思い知らされる事例(マクドナルドの事例も紹介されていました)

・他のグッズと違って、飾るだけで実用性がなかったから

・コレクション欲を刺激するには種類が足りなかったのでは?

などが話されていました。

ファンは一枚岩じゃない、ということです。

ちょっと考えてみると…

1)無料動画を見て楽しむファン

 ↓

2)無料動画にコメントで参加して楽しむファン

 ↓

3)「どうせ買うなら有隣堂」とお買い物をするファン *ここから購買が始まります

 ↓

4)有隣堂Youtubeオリジナルグッズを機能的価値(実用性)で買うファン

 ↓

5)有隣堂Youtubeオリジナルグッズを情緒的価値(他のファンとの仲間意識や有隣堂が好きというアイデンティティなど)で買うファン

 ↓

6)商品が好きなことはもちろん、会社のミッションや世界観にも共感してくれるファン

といった具合にかなりレイアーがある。

私自身もかなりの有隣堂ファンだと思っていますが、アクスタは全然興味がありませんでした笑 ぬいぐるみは買ったけど、他に買ったのは手ぬぐいとかペンとか実際に使えるものなので、私は4)の段階のファンといえます。

3月のイベントに来て「アクスタが欲しい!」と答えた人は、5)の段階のかなりのコアファンだったのだと思います。

この人たちの声をメイン層だと思ってしまったことが、アクスタ在庫の原因だったともひとつ考えられそうです。

どの層にどれくらいいるのか、ものすごくわかりにくいですけど、「ファンにもいろいろなファンがいる」ということはよーくよーく考えるべきことなのだなと思いました。

今回のアクスタで在庫6700個を抱えたからこそ、見えたことがあったのだと思います。

これからのブッコローちゃんグッズに期待!!^^

この部長さん、結構すごいマーケターだと思うんですよね。

こういう方でも「失敗」するんだなと、マーケティングのおもしろさ&難しさを感じた、個人的に「神回」でした!!^^ 

上杉惠理子