街で見つけたマーケティング事例

佐瀬社長が提案した商品の絞り込みが見事だった/『坂上&指原のつぶれない店』2020年1月5日放送

こんにちは。
上杉惠理子です。

あなたが扱う商品の中で、メインの商品は何ですか?
そう聞かれたときに一言で答えられますか?

この記事のテーマは、商品サービスの絞り込みです。

商品を絞った方がいいのはわかっているけれど…

飲食店、サロン、教室ビジネスでも、どんなお客様が来ても喜んでいただけるようにと商品やメニューを増やしてしまいがち。

ですが、商品を絞った方がうまくいくケースがたくさんあります。

ぐっと絞ったほうがクオリティにも思い切りこだわることができ、商品の質も上がります。マーケティング的にも絞ったほうがバリュープロポジションが取りやすいし、プロモーションをするときのメッセージも明確になります。

ですが、わかっちゃいるけれど絞ることは難しい…!!

ひとつを選ぶ難しさもあるし、何よりも他を捨てるには勇気がいるからです。

そんな難しい「絞り込み」を見事に行った事例がこちらの番組で紹介されていました。

TBSで日曜の夜に放送されている
坂上&指原のつぶれない店

テレビらしく作り込んでいる部分もありますが、マーケティングの勉強にもとてもおもしろい番組だなぁと時間が合うときに見ています。

2020年1月5日放送された「街のつぶれそうなお店を立て直す」コーナーで、アドバイスをする経営のプロとして登場したのが「築地銀だこ」を経営する株式会社ホットランド 代表取締役社長、佐瀬守男さんでした。

どんなお店を立て直したかというと… 

千葉県の郊外にある、ご夫妻二人でやっているイタリアン酒場 「きむらさん家」

  • サラダ、ピザ、パスタ…美味しいけれど、メニューが多くて目玉がない
  • 店名が謎、外観も謎で何屋さんかわからない(私は韓国料理屋さんかと思った!)
  • 人の多い通りからちょっと奥に入った立地で目に止まらない

「…お客さんがこなくて…もうつぶれそうで助けて!!」とご夫妻が番組にメールを出し採用。銀だこの佐瀬社長と番組スタッフが立て直しをお手伝いに行く、というお話です。

実現したい「絵」から絞り込む

佐瀬社長が素性を隠して食べに行ったり、周りの立地調査をして、提案した立て直しプランが

カウンターのみ、お味は4つだけのイタリアンラーメン屋さん

に転身することでした。

居酒屋からラーメン!思い切った絞り込みです。

そして、佐瀬社長がこれに絞った理由がとてもおもしろかった!!

佐瀬社長の意図は

「行列を作りたいから」

ここのお店は通りから少し奥に入った場所にあるので、大きな看板を出してもわかりにくい。

一番の看板は何か??それは、お客様が並ぶ列!!

ご主人の腕を生かしたお料理で、行列ができるほどたくさんの人が来てくれるものは??と考えてテーブル席をやめたイタリアンラーメンに絞ったのです…!

美味しい人気店にして、結果として行列ができる店を目指そう!と考えるのはある意味普通です。

ですが、最初から【行列ができる店にする!!】という「絵」をイメージして、これをスタートにしてメニューや内装を考えていくって…そういう考え方もあるのか!と私はかなりの衝撃でした。

人気が出て、売上が上がれば、ラーメン屋に転身でいいのか??居酒屋に想いはないのか!?と賛否両論あるかもしれません。ですが、この絞り込みの考え方はとてもとても勉強になる。 

あなたが扱う商品・サービスで実現したいのは、どんな「絵」ですか?
この問いから、本当にチカラを入れるべき商品がわかるかもしれません。

上杉惠理子