こんにちは。上杉惠理子です。
前回の記事でNHK大河ドラマ「べらぼう 〜蔦重栄華乃夢噺〜」第6回を見て、私が「やっぱこれ大事よねぇ」と思ったマーケ的ポイントをお届けしました。

売れる本を考えている重三郎が、本を読まない義兄 次郎兵衛に、どんな本なら読むかを聞いたところ、ですね^^
さらにこの続きをもう少し書きたくなりまして、ぜひお付き合いくださいませ。
当時、「青本」という緑色の表紙の本がありまして、絵が多い大人向けの本でした。
絵が多くて読みやすそうですが、本を読まない人も、本を読む人にも
「青本はつまんない」
と思われていることを知り、重三郎は
「江戸っ子たちが楽しめる、活きのいい面白い青本を作ろう!」
と思いつきます。
で、そのとき重三郎が仕事を手伝い始めた版元(出版社ですね)の鱗形屋が青本も作っていたので、鱗形屋の旦那に、おもしろい青本を作りましょう!と話に行くのです。
鱗形屋の旦那は、その前から「売れる本を考えてくれよ♪」と重三郎に言っていたのですが
自分の店が出している青本を「つまらない」と言われて、最初は嫌な顔をします。
しかも、青本は旦那のおじいさんが作り始めた、大事な事業であることが後から判明します。
青本はつまらねぇ、かびくせぇ という重三郎の指摘は、嫌だっただろうなぁ〜〜(実際、旦那役の愛之助さんからその辺が伝わってきます)
ですが、旦那は「よし、やろう。一緒におもしろい青本をつくろう!」となります。
マーケティングのアイデアが浮かんでも、実行するには資金や人手が必要。ひとりでできることではありません。
個人事業主なら自分の裁量でできますが、企業や組織内で新しいマーケティングの打ち手を実行するには上司や経営者のOKが要ることも多いでしょう。
マーケティング志向で考え、打ち手を自分で考えられることはとても大事。
ですが、周りを巻き込み、その打ち手を実現できるかは別次元で大変。
実現させなければ、せっかくのアイデアも机上の空論で終わってしまう。
重三郎が、鱗形屋の旦那に「よし、やろう!」と言わせることができた理由はどこにあったのか??
うーん…と少し考えまして、楽しさじゃないかなーって思うんです。
重三郎の楽しさ、明るさ、勢い。
地口(じぐち)という江戸っ子のダジャレを使いまくるのも楽しい^^
自信満々でもないけれど、自信がないわけでもない。
誰かを責めたり悪役にもしない。
コイツの目には、何かもう見えているんじゃないか、と予感させる。
言葉にならない、テクニックにならない、重三郎の楽しいエネルギーが人を動かしている。
「(青本がつまらねぇなんて)テメェに言われるとは思わなかった」という旦那に、ただ「すんません」と謝る素直さも重三郎の良さだなぁ。
ドラマだからこそ、重三郎役の横浜流星さんだからこそ、表現できる何かじゃないかなぁと思っています。
私もクライアントさんに「なぜ私にご依頼を?」と理由を聞くと
「上杉さんは明るいから」
「上杉さんの講座は楽しいから」
と言っていただくことがよくあります。
そこが理由でいいの!?と思うこともありますが、
明るく楽しいエネルギーは人を動かし、それがマーケティングでは大事。
重三郎と同じにはなれないけれど、私自身のこの性質を大切にしたいなぁと改めて思っています。
上杉惠理子