こんにちは。上杉惠理子です。
2025年10月9日、デロンギ・ジャパンの元社長 杉本敦男さまの講演を聞く機会をいただきました!!


デロンギという企業をご存知でしょうか? 1902年創業のイタリアの家電メーカーで、コーヒーとオイルヒーターが主力商品の会社です。
私は2022年にデロンギとオイルヒーターを知り、ちょうど杉本さまがカンブリア宮殿にご出演された番組も拝見して「これは絶対欲しい!!」と購入。毎冬愛用しております♪
カンブリア宮殿ご出演時のダイジェスト動画はこちら
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すっかりファンになったデロンギのお話を、元社長 杉本さまから直接聞けるなんて、本当に嬉しくて!! ご案内いただいて速攻申し込みました^^
主催してくださったのは銀座の不動産屋 東京中央建物 二代目社長の三田正明さん。ブランディングを学ぶ社員研修の公開企画として、今回の場を設けてくださいました!

三田さんは私のメンズ着物コンサルを受けてくださった方で、すっかり着物仲間です^^ 三田さんが書いてくれた着物デビューレポはこちら♪
CEO三田正明が行く!クリエイティブ修行の旅
Vol.6 装いと振る舞いの格上げに! はじめての着物選び
https://www.t-c-t.co.jp/classroom/000127.html
「ブランドづくりを学ぶ夜 ”高いけど欲しい”を生む」が今回のイベントのテーマ。
デロンギ・ジャパンをV字回復させたブランディングのお話を、杉本さまがご自身でお話しくださいました。具体策がいっぱいで、ほんっと刺激的で学びになりました!!
語りきれないのですが…とても印象的だったメッセージを3つ紹介させてください^^
Message1:「高くない」と言う
まずはひとつめ。
1. 「高いですね」と言われても「高くない」と言う
デロンギの商品はちょっと価格がお高め。取引先の家電量販店の担当者などから「高いねぇ」と言われることが多々あったそうです。
2010年に社長に就任した杉本さんが最初にやったことの一つが、営業チームのメンバーに
「相手から高いと言われても、すみませんと絶対に謝るな」
「むしろ、高くないと言いなさい」
と指示したこと。
高いのには理由がある。
あやまる必要なんてない、堂々と説明すればいい。
ほんっとその通りですよねえ
競合商品と比べられて「高いですねぇ」と言われて「すみません」と返したくなる気持ちもわかります。
だからこそ、トップの社長が明確にこうしたメッセージは、すごく大事で社員さんのチカラになったのではと想像します。
ブランディングをして、ちょい高でも売れる商品にしたければ「高い」と言われても、笑顔で「そうなんです♪」と言う。
「高いんです」と言える価値ある商品をつくり、その価値を伝える努力をすればいい。
シンプルだけど大事なメッセージでした^^
Message2:ちゃんとお客さんに聞く
ご紹介したい二つ目のメッセージはこちら!
2. なぜお客さんはその商品を買うのか、ちゃんとお客さんに聞く& 調べる
デロンギの主力商品 オイルヒーター。杉本さまが社長に就任された2010年当時、エアコンに押されて売上は右肩下がりだったそうです。
オイルヒーターを主力商品として、利益を出したい。そこで、オイルヒーターを使っている既存のお客さまにどのように使っているかヒアリングをしたそうです。
そこでわかったことが、お客様の共通点が
オイルヒーターを寝室で使っている
ということ。
オイルヒーターのどこが良いですか?と聞かず、「どこのお部屋で使っていますか?」と聞くのがセンスいいし的確な質問!!
寝室で使うのはなぜかというと、エアコンのように風が出ず、喉も肌も乾燥しないし、音が静かでゆっくり眠れるから。
既存のお客様に、どう使っているかを聞いてから、オイルヒーターの強みを引き出したわけです。
それから「ゼロ風暖房」というコンセプトをつくり、静かに眠れることを伝える羊のイラストを載せたPOPを作ったそうです。
最初は売上低迷で、会社的にも危機的だったため、CMなど大きな販促はできず、量販店でのPOP変更しかできなかったそうですが、数年ぶりに前年と同じ売上になりました(それまでは年々下がり続けていた…)
我が家のデロンギ オイルヒーターはこちら♪

暖まるのに時間がかかるという弱点はありますが、一度あたたまればほんとあったかで、何よりエアコンのように風がない!!つまり、
喉も肌も乾燥しないし、静か!!
消費電力はエアコンより高いそうですが、弱めに点けてもあったか♪今年の冬で4シーズン目♪めっちゃお気に入り♪
木目調の部屋に合う優しい色「カモミールホワイト」もお気に入りポイントです^^ かわいいでしょ〜〜❤︎
暖房器具のオイルヒーターという存在もデロンギという会社も、2022年まで知らなかったので、このコに出会った時は感動しました…!!
ヒーターとしては高めなのかな? 価格は26800円でしたが、送料込みでしたし高いと思わなかったです。
でも、デロンギがオイルヒーターを出したのは1970年。それだけ歴史があっても、オイルヒーターの売れるコンセプトを打ち出せていなかったのは意外だったなぁ。
今使ってくれているお客さんに、直接聞くことは本当に大切ですね。
Message3:面倒なことをやる理由
最後みっつめのこちら!
3. 他社との差別化は、めんどうなことをやる
「ゼロ風暖房」という明確なコンセプトでオイルヒーターの売上を伸ばし、その利益を全自動コーヒーマシンに投資。
デロンギのもう一つの主力商品、全自動コーヒーマシンは6〜31万円という価格帯で、これまでは業務用として利用されることが多かった。でも今、個人宅にどんどん売れている…!!
オイルヒーターと全自動コーヒーマシンという二つのキラーコンテンツで、デロンギジャパンはV字回復します。
さらに詳しく、二つの商品について話してくださったときに杉本さまがこうおっしゃったのです!
「競合他社と差別化するために、めんどうなことをやる」
「それが参入障壁を高くすることにもつながる」
はっ!!!(◎_◎)!
…と、目がまんまるになりましたねぇ〜〜〜
デロンギで何をしたかというと具体的には、リペア(修理)のサービスとコールセンターを充実させたこと。
特に海外の家電メーカーは売り切って終わりがほとんどです。手間がかかり面倒だけれども、リペアとコールセンターを充実させたことで、参入障壁も高くすることができたとおっしゃっていました。
そういえば私自身、オイルヒーターを買ったときに、アフターサービスと再資源化回収システムがあることも購入の決め手になりました。
オイルヒーターは中にオイルが入ってますし、いつか最後に手放すときどうやって捨てるのかわからないまま買いたくなかったんですよね。ゴミ問題が気になる性分なので…
めんどうなことをやることが顧客満足度につながるだけでなく、他社との差別化になる!
確かにそうだなぁ〜〜なるほど〜〜と思ったのでした^^
というわけで、デロンギJPN元社長 杉本敦男さまの講演レポはここまで!
他にも… キラーコンテンツの探し方とか、そもそもどういうブランドにするかとか、ブランディングを進める上でのリーダーシップの大事さとか、利益の定義とか…ほんっとたくさんのお話をしてくださいました。
ブランディングやマーケティングの本質は同じなんだなぁと再確認しつつ、デロンギならでは、杉本さまならではの具体策をたくさん伺えたことがとても貴重な機会でした。
異業種の偉業に学ぶ
他社の実践事例に学ぶのが、マーケティングを学ぶ近道!
「自分/自社だったら、どうする??」と置き換えて、デロンギの事例から私自身もそしてクライアントさんの打ち手を考えていきたいと思います。
終演後にお名刺交換をさせていただいて「オイルヒーターを愛用してますっ❤︎」とお伝えしました^^ 「そうですか〜」と笑顔でおっしゃってくださいました!うれしっ!^^

杉本さま、そして企画くださった東京中央建物の三田正明さん、本当にありがとうございました!またお話を伺える機会を楽しみにいたしております^^
上杉惠理子
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