こんにちは。上杉惠理子です。
昨日は電車時間にこの本を読み返していました。
『マクドナルド、P&G、ヘンケルで学んだ圧倒的な成果を生み出す「劇薬」の仕事術』
足立光 著・ダイヤモンド社
www.amazon.co.jp/dp/4478106568
マーケティングの研究者やコンサルタントはたくさんいますが、実際に組織に入ってマーケティング改革ができるマーケターはそう多くはいません。
足立光さんは、3年ごとに仕事を変え、行く先々で会社を立て直していくプロのマーケターです。
どこでも3年ほどで大改革をして結果を出し、「劇薬系」の自分の役目は終わったと去っていくのです。
例えば、足立さんが入られた2015年当時のマクドナルドは経営危機真っ只中。
安売りを続け、300億円の赤字。品質問題もあって会社イメージは最悪。10年間でマーケの責任者が8人辞めていたそう。アメリカのマクドナルド本社は、日本マクドナルドの売却も考えていたとのこと。
足立さんがマクドナルドへの入社を相談した人全員に止められたそうですが、「うまくいっていないところをなんとかするのがおもしろい」とのこと^^ そして3年で立て直して、本当に去っていく。
こういうドMな人、個人的に大好きです❤︎
そんな足立さんのご経験がぎゅっと詰まった一冊で、マーケティングの事例本としてものすごく勉強になります。
今日はひとつシェアをすると。
足立さんは新しい会社に行くとき、関係者の方と会って飲んで、徹底して情報を集めるそうです。
(日本マクドナルドに)入社前から、また入社後も店舗研修の合間を縫って、いろんな人に話を聞きに行きました。社内のいろんな部署の方に聞きに行き、店長たちの飲み会に顔を出し、サプライヤーさんや広告代理店にも、マクドナルドを辞めた友人にも、さらには流通業などに知見の深い私のかつてのコンサルティング時代の同僚たちにも話を聞きに行きました。
圧倒的な成果を生み出す「劇薬」の仕事術
そうして自分で情報を集めていくと、マクドナルドの課題も本当の価値も見えてくる。
課題では、広告代理店さんの中で2015年当時、日本マクドナルドは仕事をしたくないクライアントのひとつだったそうです。短い期間で広告を制作しろと言うし、方向性もコロコロ変わるし…。
そうすると広告代理店の優秀なスタッフを担当にしてもらえない。そうすると多額の予算を注ぎ込んでキャンペーンをしても、いい結果にならない。
協力会社さんとの関係の立て直しも課題だとわかる。
また、マクドナルドの価値、みんなが好きなマックってなに?ということも、たくさんの人と話すことで見えたそうです。
当時、健康ブームもあって、マックでもヘルシーなハンバーガーも出していたそうですがちっとも売れない。話を聞いて回るうちに、皆がマックに期待することは「背徳感」のある美味しいものや、遊び心がある「茶目っ気」だよねとわかってくる。
また、店長やクルーもマックが大好きで、働けることを誇りに思っている人たちがたくさんいたことも大きな発見だったそうです。
マーケター自身が、自分の知識や意見をしっかり持つことも大事だけど、本当の答えはお客様やスタッフや関係者やみんなが持っている。
みんなから「答え」を引き出して、カタチにして世に出していくのがマーケティングの役割なんだなと思う。
足立さんが関わってこられた企業はどこも大企業なので、話のスケールに圧倒されます。
ですが、大企業でも中小企業でも個人事業でも、マーケティングの基本は同じ。
実業でのマーケティングをしっかり学びたい方、とてもおすすめの一冊です。
『マクドナルド、P&G、ヘンケルで学んだ圧倒的な成果を生み出す「劇薬」の仕事術』
足立光 著・ダイヤモンド社
www.amazon.co.jp/dp/4478106568
想いから始めるマーケティング戦略コンサルタント
上杉惠理子