こんにちは。上杉惠理子です。
オープンしたての小規模お宿さんから、マーケティングのご相談を受けまして、昨日11月26日は山に行ってきました^^
目の前の緑深い山々
河原まで降りなくてもわかる川の清流
呼吸が自然と深くなる澄んだ空気
ちょうど季節の柚子は、香り高く^^
日本には良いところがたくさんあるなぁ〜 としみじみ思います^^
こちらのオーナーさんのお悩みは
とっても良い場所で、とっても良い施設なのだけど、ご予約が増えないこと。
実際に施設とその周辺をご案内いただきながら、たくさんお話を伺いまして
なぜ予約が増えないのか?
売れないのか?
というディスカッションをしました。
お話ししてまず見つかったポイントが
「売れちゃうと困る」
というお気持ちがあることでした。
「売れちゃうと困る」という思いを、まずは認める
「売れちゃうと困ると思っているなんて、そんなことあるの?!売れたら嬉しいじゃん!」と思う方もたくさんいらっしゃるかもしれません。
意外とあるんですよ〜〜〜
特に起こるのは、サービス業のフリーランスや小規模事業者さん。
集客する人とサービス提供をする人が同じなことが多く、「売れる=忙しくなる」ことだから。
スタッフを増やしたり外部委託をするなど、「他の人に頼めば良いじゃないか!」というご意見もあるかと思いますが、それがなかなかできないケースがあるのです。
また、「売れる=サービス提供しなきゃいけない=満足してもらえないかもしれない」という可能性もあることだから。
他にも理由はいくつかありますが、売れると困る、売れるのが不安、といった気持ちが起こりうること、よくわかります。
私もそうでしたけど、講座やコンサルなど無形商材を扱うフリーランスでも、よく起こります。
例えば、ご家族がいらっしゃる女性が起業して、売れて忙しくなるケース。お子さんの送り迎えとかどうする?旦那さんは本当に協力してくれる?とか心配になるわけです。
私の場合は、売れて提供後の評価が怖かったですね。。自分がどんなに全力を尽くしても、ご期待に添えなかったこともありますから。。クレームは1件でもどしんときます。
こうした「売れたら困る」「売れたら不安」という気持ちはとっても強力!
本当に売れなくなるのです…!!
会社組織なら、サービス提供する現場の人が「忙しいー!!これ以上お客さん増えないで!」と思っても、経営層や営業部門が「売上をあげよう!売ろう!」という力がきっちり働けば、売れないまでの事態にはなりにくい。
売れなくて困っている、という方は一度「売れたら困る、売れたら不安、と思っていない?」とご自身に問いかけてみてください。
本当は思っていることに蓋をするのが一番よくないので、正直にどうぞ^^
まずはここを突破しないと、どんなにマーケティングの打ち手をやっても、どうにもこうにも売れませんから!
脱出方法① 絞って売る!
では、どうしたらいいのでしょう??^^
この「売れたら困る」をどうしたら乗り越えられるか、具体策を二つご紹介したいと思います。
ひとつめ。
自分が安心して自信を持って提供できる分だけ、きっちり絞って売ること。
平日昼間、10時から14時までしか仕事ができないカウンセラーさんなら、その時間だけ枠をつくって売る、とか。
お宿や飲食店など、土日だけなら頑張れるなら、土日だけ開ける、とか。
365日24時間いつでもお客様の求めるまま応える、なんてする必要はないのです。
他にも
最大20人泊まれる一軒宿でも、5人までなら今無理せず対応できるなら、5名までしか受けない、とか。
できる最大限を、ずっとやらなくたって良いわけです。
売れても困らない、確実にできる範囲はどこからどこまでなのか。
ぜひ見極めてみて欲しいなと思います^^
全力でお客様にサービスを提供して、お客さまからもご感想をいただいて、経験値と改善を重ねていけば、もっと安心して自信を持って売れるようになりますから^^
脱出方法② キャパを超えて売ってしまう!
「売れたら困る」を乗り越える、二つめの具体策。
どうするかというと
それでも無理矢理、先に売っちゃう!!
です笑
売れたら困るけれど、本当に売れてしまったら、なんとかするしかない。
荒療治ですけれど、意外とこれが近道だったりします。
営業担当を外注したり、サービス提供をする人と集客する人を別にすると良いと思います。
私が星野リゾートにいた10年前、当時の星野リゾートは本当に急に施設数が増えていきました。
そのとき、特に大変だったのが人材の採用と教育でした。
今、コンビニも飲食店も人材不足ですが、当時から宿泊施設の採用は大変!
しかも、おもてなしを大事にする星野リゾート、ただスタッフがいれば良いわけじゃない。
人事のチームは本当に年中、採用活動をしていて、ほんっと忙しそうだったなぁ、、
人事チームが採用しやすいように、給与や福利厚生の改革を経営層がしっかり進めつつ、でも経営層や新規開業チームは、スタッフが十分に揃うことを、待つことはしませんでした。
先に新しい施設の開業が決まり、必死でスタッフや運営体制を揃えていく感じ。
もし十分にスタッフが育つのを待ってから、施設を増やしていたら、星野リゾートは今ほど成長していなかったと思います。
ビジネスでも何事も、十分に、完璧に、準備ができることはありえません。
だったらとにかく開業したり、集客をしてしまう。
もうお客さんが来ちゃう!!という状況だからこそ、準備が進んで「売れたら困る」という状況を乗り越えられるのです。
「絞って、安心して売れる範囲で売る」とは違う、ちょっと怖さもある荒療治パターンです^^
あなたならどちらを選びますか?
上杉惠理子