こんにちは。上杉惠理子です。
2024年7月19日、この2ヶ月サポートしてきたビジネス著者養成スクールの出版オーディションでした。
私自身も商業出版を目指した2018年に出たオーディションで、今はコーチ役として皆さんの出版企画書づくりをサポートするお仕事をお受けしています。
今回も珍獣…じゃなかった笑、個性豊かな6名のサポートをさせていただき、全員無事に商業出版への一歩を踏み出しました。
この出版スクールについては、こちらの記事に詳しく書いてあるので、ご興味ある方はぜひ。
これまでにサポートさせていただいた方が、次々に出版を叶えていらして、この記事では一冊ぜひご紹介させてください^^
『吉野家で学んだ経営のすごい仕組み:
全員が戦力になる! 人材育成コミュニケーション術』
野村孝博著 (合同フォレスト/2024年6月24日発売)https://www.amazon.co.jp/dp/477266243X/
著者の野村孝博さんは、埼玉県で年商16億円、社員150名を抱える運送会社の3代目社長です。
3代目という立場に甘んじることなく、お客様と社員さんとお取り引き先さんと皆さんのことを思いながら、事業規模も確実に拡大されている、素晴らしい経営者さんです。
本当に素晴らしい経営者さんなのですが、商業出版の本にしようとすると、結構大変でした。
野村さんの事業は運送業ですが、運送業の、広げても流通業の社長さん向けの本では読者層が狭すぎて、どの出版社も商業出版に踏み込めないのです。
どうしたら読者層を広げる企画になるか…とみんなで悩みまして。。
いろいろと野村さんの子ども時代からずっとお話を聞いていき、出てきたのが学生時代にアルバイトで経験された
牛丼の吉野家。
「吉野家はやっぱりすごかった!!」という仕組みをいろいろと聞きまして、『中小企業の社長として大切なことはすべて吉野家のバイトで教わった』というタイトルで企画書を作り、ちょうど1年前、2023年7月にオーディションに挑戦され、ぴったり(?) 1年で見事にほぼそのままの章立てで本になりました!(拍手♪)
ありがたいことに、巻末の謝辞に私の名前まで入れていただき… こちらこそ本当に素敵なギフトをありがとうございます!!!
さて、読んでみた感想は…
野村さんとたくさんZOOMで話して、私も「それっておもしろい!」「もっと聞きたい!!」と思ったことを章立てに入れていたので、予想通り、いえ予想以上におもしろかった!!!
店舗ビジネスの飲食業 吉野家と、トラックのドライバーを束ねる運送会社は、売るものも社員の働き方も組織風土も違うので、一冊にまとまるのかな??と若干不安があったのですが、
違うからこそ、吉野家の経験や仕組みが、中小企業の経営にどう応用できるのか、イメージが湧きやすい一冊になったと思います。
ほんっと、どの業種の方が読まれても参考になることがあるはず!^^
ここではひとつ、マーケティング的に「これは大事よねぇ」と思ったことをご紹介します。
第2章 地道に結果を出し続ける営業術
2-8 商品種を減らすことが業務簡素化への第一歩
の項目。
野村さんがバイトしていた頃の吉野家はまだポスレジがなく、注文は口頭で聞き、口頭で調理場に伝え、テーブルの器を見てお会計を計算したそう。
それもあって、店舗をアルバイトに任せていくためにも、牛丼とサイドメニュー数種程度と
商品の種類は限られていて、吉野家の強みになっていた。
その後、家業の運送業に入られた野村さん。
通常トラックは、2トン車、4トン車、7トン車、10トン車という積載荷重別で呼ばれますが、
実際は同じ積載荷重の車でもサイズが違うことに気づきます。
お客さん企業の担当さんから「その4トン車だと荷台が短いから積みきれない」と指摘され、
一台ずつ測ってみたら、7トン車トラックは6台あったけれど、サイズが同じなのは2台だけだった!!
配車の手間はかかるし、「商品の種類は少ない方がいい」と吉野家時代の経験を生かし、車両を代替えするときに一般的なサイズに統一していったそうです。
私、この話を読んで思い出したんです。
星野リゾートに入って、トマムのマーケティング担当になったとき、最初に覚えたのが
部屋の種類だったこと。
当時、トマムは3つのホテル、合計1000室以上が稼働する大リゾートで、そのお部屋タイプがまぁ、いろいろありました、、、汗
ベッドが2台あるのか、3台あるのか
ベッドふたつで、エキストラベッドを入れられるか
ツインルームでも複数タイプがありましたし
和室もあったし、スイートもあったし、泡風呂付きスイートもあったし
TW2、KA2、FM4とか、、、アルファベットと数字で部屋タイプを表現するのですが、もう暗号みたい。
最初の研修で、上司に全てのお部屋タイプを案内してもらいましたが、「いっぱいあるんだ!!」くらいしか頭に入らずでした笑
そして、その後黒字化したトマムはどんどんお部屋改修を進め、
部屋タイプを統合していったのです…!!
野村さんがやったことと同じ!!
ホテルはサービス業で無形商品のように見えますが、ホテルの基本の商品は「部屋」なんだと教わりました。
野村さんの運送業も荷物を運ぶサービス業でもあるのですが、基本の商品はトラックであり積載量。
部屋だったりトラックだったり、基本無形商品と思える業態でも、商品種類を把握し整えることが、全体の商品の改善や、サービスのレベルアップにつながる!と思ったのでした。
私のようなコンサル、講師業でも「基本の商品種」ってなんでしょうね^^ まずは講演タイトルと所要時間だよなと思ったので、この機会に改めて整理整頓しようと思いました。
営業マーケティング以外にも、社員の教育やコミュニケーション術、そして財務経理分野にも触れているまさに「吉野家で学んだ経営のすごい仕組み」が一冊になった本です。
特に、最終章の内部留保への考え方は経営者の皆さまにぜひお読みいただきたい。
ピンと来た方はぜひ、手に取ってみてくださいね!!
『吉野家で学んだ経営のすごい仕組み:
全員が戦力になる! 人材育成コミュニケーション術』
野村孝博著 (合同フォレスト/2024年6月24日発売)https://www.amazon.co.jp/dp/477266243X/
最後までお読みくださりありがとうございます!^^
上杉惠理子